青森県青森市長島にある更生保護施設プラザあすなろは、犯罪や非行をした人たちの社会的・経済的な自立を支援しています。

理事長あいさつ







更生保護法人あすなろ    
理事長  黒 瀧 信 行

 当法人の経営する更生保護施設は、全面改築計画を発端に地元民の建設反対運動に見舞われ、20年間の事業休止を余儀なくされました。平成12年、更生保護施設プラザあすなろは、紆余曲折、難産の末、青森市のド真ん中に位置する現在地に新生再開されました。再開以後、心配された入所者によるトラブルも無く順調に運営されてきております。
「総論賛成、各論反対」という言い得て妙なる言葉がありますが、犯罪を犯し、あるいは非行のある少年の中で行場の無い人たちを保護・収容し、指導する更生保護施設の必要性を十分承知しているにも拘らず、(当初の私自身のように)自分がその任務に携わることに躊躇したり、あるいは建設に反対する地元の方々の心境は理解出来ない事もありません。
 しかしながら外国に住んだり、あるいは外国を旅行して離れたところから日本を見たとき、日本が世界に誇りうるものの第1は日本の治安の良さであったと改めて認識した経験を持つ人は多いはずです。
 そして、その日本の治安の良さを支えてきたものの1つとして、日本独特の制度である保護司を中心とした更生保護制度が挙げられることにほとんど異論はないでしょう。
 その更生保護活動の発端が、民間の有志者が行き場のない犯罪者を収容したことから始まった、いわゆる今日の更生保護施設であったという例が、我が県、当あすなろの他にも全国各県に多く見受けられます。
 発生史的に見ても、更生保護制度の中での更生保護施設の重要性は明らかであり、従ってこれに携わる私共は、私共が果たすべき役割に十分心をいたしてみれば、日本人としても、又人間としても、その行うべき任務への姿勢と意志が自ずから定まって参ります。
 幸いなことに、当施設の職員は、特に最近、そのような使命感を以て職務に当たっている熱意が感じられます。役員及び関係者からの物心両面による協力も多くなって参りました。県内更生保護関係団体も和気藹藹、目的に向かった結束があり、最高の状況です。
 更生保護法人あすなろ理事長としては、自らが置かれている立場を忘れることなく、再犯防止を第1の目標に掲げ、行政と関連団体との連携を密にし、以て地域における更生保護活動に邁進・貢献し、更には我が国の安寧と平和の一助になれるよう一層の努力をして参る所存です。